硬度9Hって何?そもそも硬さをテストする方法がどういったものがあるの?

硬度9Hって何?そもそも硬さをテストする方法がどういったものがあるの?

硬度9Hとは

そもそも硬度とは材料の表面が他の物体によって押し込まれた時の抵抗力のことを指します。JIS(日本工業規格)における「H」は、鉛筆硬度のことを指し、主にコーティングや塗膜の硬度を表すために使用されます。このテストでは、一定の力で鉛筆を材料の表面に押し付けて、鉛筆の芯がどの程度材料を削るかで硬度が評価されます。鉛筆硬度は、6B(非常に柔らかい)から9H(非常に硬い)までの範囲で分類されます。たとえば、9Hは非常に硬い表面を示し、6Bは非常に柔らかい表面を示します。この方法は、表面の擦り傷に対する耐性を測定するのに役立ちます。

画像はイメージです
鉛筆法、JIS K 5600-5-4
硬度9Hは鉛筆硬度試験において最も硬いカテゴリーに属します。この硬度の材料は、非常に抵抗力が強く、通常の使用状況では傷がつきにくい特性を持っています。

例として、スマートフォンの画面保護フィルムやガラスコーティングがあります。これらの材料が硬度9Hを有している場合、鍵やコインなどの日常生活で遭遇する硬い物体による擦り傷から画面を守ることができます。このレベルの硬度を持つ材料は、高い耐久性と長期間にわたる保護機能を提供するため、スマートフォンやタブレットなどのデリケートなデバイスに適しています。

また、硬度9Hの表面は、筆記用具や尖った物でも容易には傷つかないため、工業製品や自動車の部品などにも用いられることがあります。これにより、製品の美観を保ちつつ、機能性を維持することが可能です。

硬度を表すテスト方法は鉛筆硬度だけなの?

硬度試験は材料の特性を評価するために様々な方法が用いられますが、ここでは鉛筆硬度試験を中心に、他の主要な硬度試験の種類についても説明します。

  1. 鉛筆硬度試験(Pencil Hardness Test):

    • 鉛筆の芯を用いてコーティングされた表面に斜めに押し付け、鉛筆が引き起こす傷の性質を評価します。硬度は6Bから9Hまでの間で評価され、9Hが最も硬いことを示します。このテストは、主にペイントやコーティングの耐傷性を評価するのに使われます。
  2. ビッカース硬度試験(Vickers Hardness Test):

    • 小さいダイヤモンドのピラミッド型圧子を材料に押し込み、圧子が残した痕から硬度を測定します。このテストは、非常に硬い材料から非常に柔らかい材料まで幅広く測定可能であり、ロード範囲の調整が可能です。
  3. ロックウェル硬度試験(Rockwell Hardness Test):

    • 材料に圧子を押し込んだ後、その深さに基づいて硬度を測定します。ロックウェル硬度は多くの異なるスケール(A, B, Cなど)で表され、使用する圧子の形状やテストの条件によって異なります。
  4. ブリネル硬度試験(Brinell Hardness Test):

    • 大きな硬球(通常は鋼球)を材料に押し込み、球が残した圧痕の直径を測定して硬度を算出します。この方法は特に金属の硬度を測定するのに適しています。
  5. ショア硬度試験(Shore Hardness Test):

    • ゴムやプラスチックなどの柔らかい材料の硬度を測定するために使われます。尖った先端を材料に押し込むことで硬度を評価します。

これらの硬度試験方法は、それぞれ異なる材料特性や応用分野に適した測定法として用いられ、材料の選定や品質管理のために重要な役割を果たしています。

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